日見の大仏
周防大島町西長寺の阿弥陀堂に安置されている(通称「日見の大仏様」)。ヒノキ材の寄木造りで、漆箔着色の像である。像高は284cmの丈六仏で、県下の重要文化財の仏像で最も大きいものである。右手は屈して前方に手の平を見せ、左手は手の平を上にして左ひざの上におき、共に第一指と第二指の指先をつけて、上品下生(じょうぼんげしょう)の手印を結んでいる。螺髪(らほつ)はやや粗目で、しっかり見開いた眼、厚めの唇をきりりと結んだ表情には威厳がある。浅い衣紋やひざ張りに対して、ひざ厚が少ないなどから、平安時代後期12世紀頃の制作と見るべきである。二重円光の光背は当初のままであって貴重であるが、この外にさらに飛天光の外縁がついていたものと考えられる。また台座は大衣の端が下方に垂れた形の八角形裳懸座(もかけざ)となっている。光背、台座も本像作成当時のものであることは貴重である。
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